『五等分の花嫁』第94話において、風太郎はマルオの口から一花が学校を辞めることを知り、五つ子たちも彼女の決断に各々の考えを示します。
一花が女優業に専念するという意思を固めている一方で、その裏には修学旅行の一件による風太郎と三玖への気持ちが働いているのでしょう。
そこで今回は今後の『五等分の花嫁』の展開に大きな影響を与えそうな一花について考察していきますが、第94話で一番気になったシーンを取り上げていきます。
加えてラストシーンでの四葉への働きかけについても見ていき、再び四葉ルートが復活する可能性があるのかも考えていきましょう。
一花の本心はどこにあるのか?
五等分の花嫁 第94話より引用
『五等分の花嫁』第94話で個人的に一番気になったのが、一花と三玖の会話の部分。
そこで描かれていたのは気持ちを打ち明ける際、一花は左目を手で覆い隠しながら話しているというもので、とても違和感を覚えたシーンとなっています。
まずは、わざわざ左目を隠して話した意味はあるのか、そもそも一花の本当の気持ちはどこに隠されているのかを考えていくことにしましょう。
三玖に核心を突かれた一花
五等分の花嫁 第94話より引用
思い出を振り返るようにして校舎を歩き回っていた一花でしたが、そこに三玖が姿を現すと、彼女にとってはとても気まずい時間が流れます。
「私といることがまだ辛い?」と三玖から言われると、直後に一花は「!」と驚いたとみられるセリフを発していますが、ここからでも間違いなく核心を突かれたのだと考えられるでしょう。
その後、もっともらしいセリフを残している一花ではありますが、同時に女優らしく演技をして見せては、三玖に対して本当のことを話そうとはしません。
本心を隠している様子に三玖は気づいてはいますが、大きなポイントは各コマの一花の視線が右往左往しているところから分かります。
・自分に許せないと説明→左手で目を隠して三玖を見る(視線を左へ)
・一緒に卒業したいと告白→視線を右下に戻す
本心を包み隠さず話していれば、一花の視線は三玖を直視しているのがもっとも自然ですが、該当するシーンでは明らかに左右に流れています。
これは心理学的に見ても、相手を見ないということは無意識に拒否していることの表れで、一花は三玖を避けているのだと考えられるでしょう、
また3コマ目の部分においては、細かいようですが「右下」に視線が向いています。
こちらは過去の身体的な苦痛や物事を考えるときにみられるもので、会話においては返答を考えたり悩んだりする場合に見られるものに。
もしかすると、女優業に専念すると決めた一花には、まだ迷いがあるのかもしれません。
左目を隠す仕草に隠された心理的意味
もう1つ気になるのは、一花が左目を左手で隠したという仕草。
まず、人の感情は顔の左側に出やすいという結果が心理学の研究から判明しており、作者の意図として一花の感情を見えなくしているのではないかと考えられます。
なぜ顔の左側に感情が出やすいのかと説明すれば、かいつまんで、感性や感覚を司る右脳がコントロールしている部分だから、というのが一番分かりやすいでしょう。
余談にはなりますが、「左」というキーワードには様々な逸話から都市伝説までが存在しており、なかでも万物を見通す目として知られているプロビデンスの目があります。
ほかにも右目は過去を見ており、左目は未来を見るものなどなど……。
様々な意味合いが込められている顔の左側ですが、一花は三玖との会話においては左手で覆い隠しているのがとても特徴的であるばかり。
この独特な描写から考えられるのは、前述したように意図的に一花の感情を隠すため描いているのか、一花の現実を直視したくないという無意識の表れなのかもしれません。
あるいは飛躍的な考察として、修学旅行の一件によってストレスを抱えてしまい、左側で無意識に涙を流すようになってしまったのかなど、あらゆる想像ができる部分に。
3コマ目では指のすきまから少しだけ左目が見えていますが、黒く塗りつぶされていて不気味な印象を受けるばかりか、一花の考えていることが見えづらくなっています。
それだけ三玖になりすまし、自分と風太郎が結ばれるように工作した過去は、一花にとって重い罪の十字架となっているのだと考えられます。
風太郎は間違った選択をしてしまった?
結論として、一花は風太郎と三玖の2人を避けているのでしょう。
三玖に関しては姉妹であるため家で顔を合わせなければなりませんが、そこで女優業に専念するという決断によって、彼女のそばから離れていこうとしています。
また風太郎に関しても同様に、学校を辞めることによって家庭教師を受ける必要がなくなり、必然的に顔を合わせる機会がなくなっていくことに。
そのための女優業に専念するという考えなのかもしれませんが、それでも一花はまだ風太郎を諦めきれていないと感じる部分もあります。
下足室で風太郎に遭遇すると、彼の口から「5人で卒業する道」を提示されますが、このときの一花の表情は少し赤面していました。
自分のために解決策を考えてくれたという男らしさのようなものを感じたのでしょうが、しかしそれは一花が求めていた言葉ではなかったのかもしれません。
そもそも風太郎は、五つ子それぞれを特別扱いしておらず、二乃と五月の家出などから「5人で一緒にいてほしい」という気持ちを強く持っています。
加えて、本心なのか、自身と一花の関係をビジネスだと発言してしまい、これが彼女の心に響かなかった一因ともなっているはず。
もしも「俺と一緒に卒業しよう」などの発言であれば、一花は思いとどまったのではないでしょうか?
それは風太郎の思慮不足であり、彼の人生経験の浅さの表れもあり、いずれにしても一花の決心を決定づけるやり取りになってしまった気がしてなりません。
四葉との会話で四葉ルート復活の可能性
五等分の花嫁 第94話より引用
『五等分の花嫁』第95話以降で、四葉ルート復活の可能性が芽生えました。
その根拠は公園で一花が四葉と2人きりになっているラストシーンにあり、以前に考察した「一花が四葉に働きかける」シチュエーションが整っているためです。
あくまで可能性が出てきただけであり、四葉の対応によって展開が左右されますが、どのような流れになっているのかをおさらいしていきましょう。
四葉と風太郎の関係を知っている一花
一花はブランコに乗って「風太郎のことを覚えている?」と聞きますが、なぜ四葉と風太郎の関係を知っているのかと言えば、賃貸で借りていた部屋の大掃除をしたとき、不意に見てしまった2人の6年前の写真がきっかけ。
初めて「6年前の京都の写真」が登場したときは、風太郎と誰なのかが分かりませんでしたが、四葉の過去編で正体が明るみになると、全てが繋がっていきます。
もちろん過去編において、五つ子たちは互いに見分けがついており、それは高校生に成長したからといって変わることがありません。
四葉と風太郎が6年前の京都で出会っていることを知っていた(思い出した)ため、ラストシーンにおける一花の四葉へのアプローチも頷けるでしょう。
諦めないでほしいと願う一花
四葉ルートの可能性が消滅した過去編でしたが、一方で「四葉ルート復活の可能性」について考察した記事もありますので、合わせてチェックしてもらえると嬉しく思います。
考察した内容そのままになりますが、やはり一花は四葉に風太郎にアプローチをしてほしいと働きかけるのが目に見えて予想できるのではないでしょうか?
修学旅行の一件が一花をそのように動かしており、自分は風太郎を諦めてしまったけれども、四葉には自分の思うように行動してほしいと気持ちを伝えるはずです。
それこそ、家族旅行で四葉から励まされたように。
四葉は転校前の学校で落第したため、自分に付いてくる形で姉妹全員が風太郎のいる学校に通いますが、このできごとが四葉を大きく変えたのは説明不要でしょう。
一花は長女らしく、妹たちをしっかりと見ていますから、風太郎を前にしている四葉が本心を押し殺して接しているのが痛々しく感じるのかもしれません。
応援してくれた四葉へのお返し、そして失敗した自分のようにならないでほしいという2つの意味から、一花は四葉に働きかけていくと考えられます。
まとめ
五等分の花嫁 第94話より引用
『五等分の花嫁』第94話は、最後まで一花のけじめという内容がしっくりきます。
それはすなわち、一花ルートの可能性が完全に断たれてしまうことですが、もしも四葉ルートが復活するのであれば、一花の可能性も再び芽生えてくるのではないでしょうか?
そして一花と三玖の会話シーンでは様々な意味をくみ取ることができ、多様な解釈や考察だけでなく、一花の全てが詰まった重要な場面とも捉えることができます。
いずれにしても、第95話では四葉の言動が最注目部分となりますので、四葉ファンは見逃せないだけでなく、彼女の将来を大きく占う部分に。
次回も新しい楽しみが増えたところで、最新話公開をただ待ちたいばかりです。
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