2019年9月17日、ライブドアニュースで『五等分の花嫁』作者の春場ねぎ氏のインタビュー記事がアップされました。
物語がクライマックスに差し掛かっているなか、今後の展開予想や考察につながるのではないかとじっくり読みましたが、結論から言えば、より『五等分の花嫁』への興味が強くなったということ。
作品作りへの強いこだわりや影響を受けたものなど、読み進めれば「なるほどな~」と思わされるものばかり。
今回は春場ねぎ氏のインタビュー記事を読んだ感想、これからの『五等分の花嫁』における展開の予想も少し織り交ぜていければと思います。
作者の五つ子への愛を感じる
まず印象だったのは、『五等分の花嫁』のゴールで発生する問題について。
第1話で風太郎と五つ子の誰かが結婚しているというのは周知の事実で、残りの4人は選ばれなかったという結果が必然的に生じます。
これに春場ねぎ氏は、ファンの5分の4に嫌われるだろうなと覚悟を決めていたと語っています。連載前からこの意識を持っていたことに驚き、同時に相当な自信を持ってを五つ子たちを生み出したということが窺えました。
ー花嫁が決まっているということは、決まらない4人がいるわけで……。
そこは本当に申し訳ないと思っている部分です(苦笑)。連載をはじめる前に「(作品の)ファンの5分の4から嫌われるだろうな」と覚悟を決めていたので……。ー嫌われる覚悟、ですか?
今は「好き!」と言ってくれていても、いざ風太郎の花嫁が誰なのかわかったとき、選ばれなかった4人を推している80%のファンから「なぜだ」「ひどい」と批判を受けるだろうなって。
まとめ記事を見ると、「5人と結婚するんだろ」という言葉を見かけます。しかし春場ねぎ氏は最初にその可能性を潰しているわけで、作者の意図した通りの盛り上がり方をしているというのも納得させされました。
ただ本人もラブコメを読む身として、推しキャラが報われなければ悲しい気持ちになると語っています。春場ねぎ氏も悩み葛藤して、面白く作品を作ろうと頑張っているのでしょう。
今後の展望では、読者に納得してもらえる終わり方を目指しているそうですから、それぞれの恋愛の結末がより楽しみになるばかり。イメージができているだけに、毎週の最新話公開が待ちきれません。
「嫌い」から始まった物語
『五等分の花嫁』のキャラクターは、四葉を除いた4人が「嫌い」という感情からスタートしていました。これも春場ねぎ氏の意図した展開で、なにより本人が魅力を感じないという理由があったとのこと。
「嫌い」から「好き」に移行する展開があったからこそ、たしかに『五等分の花嫁』が魅力的に見えています。
「このなかに本当に未来の花嫁がいるのか?」「どうやって風太郎と近づいていくのだろう?」……このような感想を、第1話を読み終えたあとに抱きました。
最初の変化が起こったのは三玖で、歴女とが歴女というコンプレックスに歩み寄って以降、2人の関係が最注目に。そして一花と女優の仕事で深く関わっていくと、やはり彼女も風太郎に惹かれていきます。
最後の二乃に関しては印象的で、風太郎とは犬猿の仲でした。しかし風太郎の「5人でいてほしい」という気持ちにふれ、二乃は過去を払しょくすることになります。
いずれもコンプレックスやしがらみなど、心の闇というのは大げさですが、悩みのようなものを抱えながら過ごしていました。ところが風太郎との出会いによって、克服・払しょくに成功して前へと進んでいきます。
感情面だけでなく心の成長もあって、個人的にこの部分だけでも『五等分の花嫁』を楽しむポイントになっています。
さしずめ、第6巻までは種蒔きの段階だったといえるでしょう。そして3年生に進級した彼らは、どうやって花を咲かせようかという流れに。修学旅行編は、まさにそれぞれの試行錯誤が表れた部分だと思います。
『ワンピース』から受けた物語の流れ
©尾田栄一郎/集英社・フジテレビ・東映アニメーション
五つ子それぞれが風太郎を受け入れていくなか、インタビューで語られていたのが「過去の話をきちんと反映させる」という部分。
『ワンピース』のアラバスタ編は読んでいた部分で、そこに春場ねぎ氏も影響を受けているとのこと。当時の自分は1話1話を読むだけで終わっていたので、今読み返してみれば、同じ想いを感じずにはいられません。
ーストーリーを考える上で「これはハズせない」ポイントは?
過去の話をきちんと反映させる、ですね。……少し話はそれますが、尾田栄一郎先生の『ONE PIECE』の「アラバスタ編」って読んだことありますか?ーはい、人気の高いエピソードですよね。
あのエピソードでは、一時的にルフィたちの仲間になったビビが、やがて別れることになりますよね。
何が言いたいのかと言うと、その別れた次の回で、麦わらの一味がビビとの別れを悲しむ場面からはじまっているんですよ。
それが当時、ひとりのファンとして読んでいて嬉しかったんです。エピソードごとにリセットされるんじゃなくて、「ちゃんと前の話が反映されてる!」って。
その象徴的なシーンが、一花と近づいていくきっかけになった「花火大会」。たしかにアラバスタ編に影響された流れで、春場ねぎ氏の強い意志が感じられるばかり。
『五等分の花嫁』はキャラクターのつながりがしっかりと連続しており、やはりこれも作品の魅力に数えられます。明確に「好意を持ち始めた」など、分かりやすくもなっている部分でもあるでしょう。
また、インタビュー最後には連載終了後に喪失感を与えたいとも語っています。これは常々感じていることで、ふとした瞬間、「間違いなく『五等分の花嫁』ロス」に陥ってしまうと感じている私の存在に気が付いてしまいます。
ほかにも『魔法先生ネギま』にも影響されているとあり、春場ねぎ氏自身も同じような作品を描きたいとコメント。
自分が影響を受けた作品の流れを汲み取り、感じた部分を自分の作品でも伝えたいという想いがあり、インタビュー記事を読み終えたころにはますます『五等分の花嫁』の展開が楽しみなる一方となりました。
これからの『五等分の花嫁』への期待
#五等分の花嫁
今週掲載の97話で五等分の花嫁は連載2周年を迎えました!
アニメや展覧会など様々な企画も進行中ですので今後ともよろしくお願いします! pic.twitter.com/HJj8EoHrCR— 春場ねぎ 9/17 11巻発売 (@negi_haruba) August 7, 2019
インタビュー記事にもありますが、『五等分の花嫁』における最大の謎「誰が花嫁なのか」という回答は、作品の構想を練っている段階から決まっています。
作者視点からは「どうやって花嫁にしていこう」という考えから物語が作られているため、やはりこれまでの物語を注意深く観察すれば、ヒントあるいは答えにたどり着けるのだろうと感じるばかり。
またエゴサーチをしているとのことで、感想を読むだけでなく、狙った通りのイメージを受け付けられているかどうかを確認しているとのこと。
(もしかしたら私の記事も読んでもらえているのだろうか……と考えれば、それはそれは胸アツすぎる)
イメージ通りにいかない場合は、どうすれば狙った通りにできるのかを勉強させてもらっているそうで、面白い作品を作ろうという努力を感じずにはいられません。
物語も7割を消化しているそうですから、やはりどう展開していくのか、楽しみが尽きることはないでしょう。五つ子それぞれに納得できる終わり方へと導いてもらい、最大の問い「花嫁は誰か」の答えを見せて欲しいばかりです。
まとめ
#五等分の花嫁
今週発売のマガジンに第88話が大特集で掲載されています!
表紙と巻頭カラーで五つ子のオンとオフのイメージです。
本編以外にもお知らせ投票プレゼント企画と盛りだくさんなので単行本派の方もよろしければ覗いてみてください! pic.twitter.com/xxQSQcX7Zc— 春場ねぎ 9/17 11巻発売 (@negi_haruba) June 6, 2019
『五等分の花嫁』を楽しみにしているファンであれば、今回の春場ねぎ氏のインタビュー記事は必読と言えるでしょう。どういった考えで物語を練っているのか、作品を作りに対する姿勢などは、好感を抱かずにはいられません。
私自身、今回の記事を読んでみて、また一から『五等分の花嫁』を読み返そうと思わされました。何周もすることで、新しい発見があるのですから。
そして五つ子それぞれが誕生した秘密というのも、やはりファンとしては見逃せない部分と言えるでしょう。読み進めれば、納得や共感する部分があるはずです。
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