『五等分の花嫁』第117話では、風太郎と二乃・四葉・五月の4人の様子が描かれていました。
四葉は答えを保留しており、その態度に苛立ちを隠せない二乃。風太郎は四葉からの返事を待っている中、五月は自分の気持ちに整理を付けられずに過ごしていました。
それぞれの想いを抱えている中、食堂で一堂に会する4人は気まずい雰囲気に包まれます。やがて二乃は苛立ちを表面化させて、四葉と五月に八つ当たりをするように。
果たして風太郎と五つ子の関係はどうなっていくのか?最終回が迫る中、五月が急展開を見せようとしているため、じっくりと考察していくことにしましょう。
第117話の感想
五等分の花嫁 第117話より引用
前回は四葉が決心をした様子を見せ、そのまま五つ子との話し合いが描かれるのかを思いきや、時系列が少し先に流れて学校での様子が展開されました。
第117話の主役は、これまで風太郎と姉たちのサポートに徹していた五月です。
彼女は四葉との関係が深く、四葉こそ風太郎に選ばれるに相応しいと考えている1人。しかし2人の状況が影響してか、自分の選択は正しいのか考えるよりも、自分の気持ちに迷いが生じている様子でした。
顕著なのは五月が恋愛ドラマを見てしまっているところ。そもそもキャラクタープロフィールでは、ドラマを好んでみているのは二乃であり、五月はワイドショーを視聴します。
自分の気持ちが分からないからこそ、ドラマに頼って恋愛を学ぼうとしている様子。しかしそれは無駄どころか、ますます自分の選択を正当化しようするための材料にしてしまい、もはや袋小路の状態に陥ってしまいました。
さらには苛立つ二乃に問い詰められた際も、何も言えなかった五月。これによって彼女の想いはますます迷宮入りするだけでなく、6人でプールに出かけた時以上に心のモヤモヤが晴れないように。
学園祭最終日において、最後まで五月は中立でいようとしました。しかしそれは、やはり五つ子の母親の代わりという意識がまだ残っていたのでしょう。無堂との一件があったとはいえ、一朝一夕には変わりません。
それまでずっと姉妹のために行動していた五月ですから、その場から自分の気持ちに正直になるというのは難しいこと。言い換えれば、第117話にしてようやく五月は風太郎への気持ちに気づき始めています。
ここにきて四葉=花嫁が覆りそうな展開が発生しました。
そもそも四葉は悩んでいましたから、風太郎に選ばれたと言って、そのままゴールインをする可能性は100%ではありませんでした。
二乃と四葉が話す内容、それを聞いた風太郎と五月がどのような反応を示すのか……ウイニングランの状態かと思いきや、まだラスト1周にドラマが起こる予感です。
二乃・四葉・五月それぞれの心境
五等分の花嫁 第117話より引用
第116話では三玖の気持ちにふんぎりがついたような形で終わりました。
一方で二乃の様子は描かれている通りに顕著であり、四葉は決心こそした様子でしたが、なかなか実行できずにいるようです。
五月もまた上記で述べた通りで、自分の気持ちを自覚できず、また認めようとしません。
改めてそれぞれの心境についてまとめていきます。最有力である四葉でしたが、ここにきてラストスパートを決めそうな五月の存在もあるため、まだまだ油断できない状況にあります。
二乃
二乃の心境は、第117話を見るより以前から明白でしょう。風太郎に選ばれた四葉ではあったものの、いまだにその答えを保留している状態に苛立っています。
食堂においても、二乃はストレートなもの言いが相変わらず。推薦入学の話も絡めて、何もせずに選ばれた四葉を揶揄している様子があります。
四葉が何もしなかったというのは間違いになりますが、二乃と比べれば、正攻法なアプローチをしてこなかったのも事実。
事情はさておいて、二乃の視点からは努力をしてない様子ですから、いつまでも保留し続ける四葉に対して辛辣になるのも無理はありません。
一方で四葉を後押ししようとする優しさもあるかもしれませんが……。
いずれにしても、二乃と四葉の関係は最悪と言えるでしょう。改善するためには答えを出すことが正解ではありますが、教室で2人は何を話すのかに注目です。
四葉
四葉に関しては、第116話での三玖との会話で、ある程度の決心がされている可能性があります。
ただ決意をしたものの、なかなか行動できずにいるのか、風太郎との接触では違和感を覚えずにはいられません。
四葉というキャラクターは、誰よりも自分の気持ちを押し殺すのが得意です。風太郎への気持ちはもちろん、自分よりも他人を優先してしまうところがあり、それが姉妹であればなおさら。
第117話では二乃との話し合いが避けられない状況となりましたが、すでに決意を固めている四葉は、しっかりと今の気持ちを伝えることができるでしょう。
食堂で風太郎の言葉を振り切っている様子からも、固い決心であることが窺えます。
五月
第117話のメインである五月は、一番複雑な状態にあります。
姉妹の母親となるべく行動してきた五月は、学園祭を経て自分の気持ちを考えるようになりました。その1つの答えとして、教師の道に進むというものがあります。
そしてもう1つ、風太郎への想いというのが、ここにきて顕在化することに。それまで自覚できずにいた五月でしたが、それも風太郎と姉たちの健全な関係を築くということ一点に集中していました。
風太郎に選ばれるのは四葉が一番の理想というのも、まだ自分の気持ちを自覚できていない時期から引き継いでいるものであり、実際に四葉はどうしようか迷う状態に陥ってしまい、五月は本当に良かったのかと考えるように。
自分の選択は正しかったのという思考は、やがて自分の本当の気持ちの一端を見つけてしまうきっかけになっています。
なにより、五月の真面目すぎる性格が厄介な状態を引き起こしていると言えるでしょう。本当は風太郎のことが好きだけども、四葉の気持ちを気にも留めず行動するのは、今となっては略奪愛となってしまいます。
真面目な彼女からすれば、そのような邪道は否定せずにはいられません。無意識に、もしくは本能的に、風太郎への気持ちを抑え込んでしまっている状態にあります。
改めて第117話を読み進めてみれば、五月が風太郎への好意を抱いているのは明白。自分の本当の気持ちをまだ直視できていないのですから、自覚した瞬間、五月に花嫁の可能性がようやく芽生えることになります。
下田さんの“予言”が的中するのか?
五等分の花嫁 第117話より引用
さて冒頭のシーンでも気になるシーンがありました。
恋愛博士と茶化された五月ですが、その後も下田さんと恋愛ドラマについて談義を交わしていた様子が見られます。そこでは、下田さんの“予言”が語られていました。
下田さんは、五月が見ていた同じドラマの視聴者なのでしょう。そうではなくとも、恋愛に飢えているせいか、かなり前のめりで話していた様子が描かれています。
そんな下田さんは、「私の読み通りになる」と断言しており、五月の想像はまったく異なる予想をしていることも分かりました。
肝心の下田さんの予想や考察については言及されていませんが、内容を察するに略奪愛が成立してしまうと考えていいかもしれません。
ところで、下田さんがガッツリとセリフを残しているシーンは、風太郎と二乃がアルバイトをしているケーキ屋の場面を思い返してしまいます。
その際、五月の教師になりたいという気持ちは、母親の後を追っていると指摘していました。その時の五月にはドンピシャで突き刺さっており、下田さんの目は慧眼であると言わざるをえません。
そんな下田さんのいうことだからこそ、今回もドンピシャで的中させるのではないでしょうか?
いまや花嫁=四葉が既定路線となっていますが、ここ数話において四葉の決断に迫る描写がありません。『五等分の花嫁』の性質上、特定の誰かを贔屓することはありませんが、それでも不自然だと思うところがあります。
これが上記にも述べたように、ウイニングラン状態の四葉を脅かす要素となっています。
果たして五月は自分の気持ちを自覚することができるのか、また、四葉の決断の内容にも大きく左右されますが……まだまだ急展開の可能性が残されているため、今後の展開が見逃せなくなりました。
まとめ
五等分の花嫁 第117話より引用
『五等分の花嫁』第117話では、五月がようやく自分の気持ちを自覚しようとしています。その一方で四葉も決断を下したようですが、その内容次第で花嫁は五月になる可能性があるでしょう。
そして一花・二乃・三玖に関しては、やはり可能性が皆無になりつつあります。特に三玖に関しては、第116話で整理をつけていますから、後は前に向かって突き進むのみ。
また気になるのは、二乃だけが気持ちに整理をつけていません。苛立っている様子から分かるように、今は自分よりも四葉と風太郎の関係に怒りを覚えており、辛辣な態度が目立つようになりました。
果たして二乃も自分の気持ちを落ち着けることができるのか……そしてもちろん、四葉の決断と五月の心境にも、しっかりと注目していきたいばかりです。
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