『五等分の花嫁』第94~95話「分枝の時」では、一花が学校を休学して女優業に専念するまでの物語が描かれました。これによって、一花の花嫁の可能性はほぼ無くなったと見ていいかもしれません。
しかし一方で、一花は四葉に対して「本当にやりたいことをしてほしい」と気持ちを伝えます。この発言を受けて、四葉がどのような反応を示すのかがポイントに。
そして二乃・三玖・五月たちは、風太郎とどのような進展を迎えるのでしょうか?
さっそく『五等分の花嫁』第96話「進み続ける日常」を読んだ感想と、これからの展開予想・考察をまとめていくことにします。
自分に精いっぱいの五月
五等分の花嫁 第96話より引用
まず、『五等分の花嫁』第96話で一番印象に残ったシーンは五月でした。
ここ数話での五月は「優等生」と言われる行動を取っています。第96話においても、分からないところを先生に質問するなど、真面目に受験勉強を進めていました。
しかし最終ページにおいて、五月だけは姉たちと異なる表情を見せています。それはまるで、この世の終わりを感じているかのような、活きた表情ではありません。直前のコマではD判定の結果が出ていましたが、十中八九は五月のものでしょう。
また、職員室前で四葉から食べ物の話を聞いても「バイトがある」と言って、その場からすぐさま立ち去っています。
第96話内での行動を見れば、D判定という結果を目の当たりにしてショックを受けている可能性がとても高くなるばかり。
勉強をしても成績が伸びないことに焦りや不安を隠せずにいる五月が見てとれ、大好きな食べ物の話題を振られても、意に介せないほど自分に精いっぱいなのでしょう。
果たして文化祭をきっかけに立ち直ることができるのか、それともズルズルと引きずったまま受験を迎えるのか……。とても心配なシーンとなっています。
姉妹の母親の代わりになれない苦悩
五等分の花嫁 第7巻 141Pより引用
模試でD判定を受けたとしても、そこまで落ち込むことなのかという気もします。しかし五月は教師を目指しており、そのためには大学に行かなければなりません。
2年生の期末試験では、風太郎から姉妹同士で教え合うという提案をされたことで、教えることの喜びを知ります。そして母親にお世話になったという下田さんにも出会い、夢に向かって進んでいくようになりました。
その際、下田さんから「母親になろうとしている」ことを指摘されており、五月の後ろ姿には陰のようなものを感じます。おそらくは核心を突かれてしまったのでしょう。
また、家出をしたときにも風太郎に対し、実際はうまくいっていないことを告白。
母親を亡くして以来、五月は姉妹の母親の代わりになると決意しましたが、それからというもの、なにも成果を挙げられていません。
そもそも五月というキャラクターは努力が実を結ぶような人物ではなく、努力が報われないという表現が一番ピッタリなのではないでしょうか。
風太郎と出会ったばかりのころは反発しあっていましたが、1人で勉強をしても成果を出せずにいました。しかし風太郎と仲直りをしたこと、さらには彼から勉強を教えてもらったことで、2年生最後の試験は全科目赤点回避を達成しています。
おそらくは、五つ子の誰よりも深い闇を抱えているのは五月でしょう。その闇を風太郎が取り払うことができるのか……今後の2人が関わるうえでの重要なカギとなりそうです。
四葉は気持ちを抑えられない?
五等分の花嫁 第96話より引用
『五等分の花嫁』第96話で大きな変化を見せたのは四葉でした。
風太郎への気持ちを捨て去っていたものの、一花が女優業に専念する直前、「ほんとうにやりたいことをしてほしい」と言われます。これによって、抑えていた気持ちが表面に出てくるように。
おそらく四葉本人は自覚していないのでしょう。再会して1年ほどの歳月、本心を押し殺した状態で過ごしてきたため、気づけないのかもしれません。
まだ自分の気持ちと行動が整理しきれていない様子も窺えます。風太郎から「頼りにしている」と言われたことで、大きな喜びに満ちた表情を覗かせていました。
誰から頼りにされるというのは、生まれ変わった四葉のアイデンティティそのもの。それも風太郎から頼られるというのは、このうえなく幸せなはずです。
ゆえに四葉は今後、押さえつけていた気持ちが爆発してしまうのではないでしょうか?
同じ学級長として文化祭のために走り回り、2人で行動する機会が多くなるはずです。再び四葉の風太郎に対する気持ちが募っていくのは、もはや必然だといえるでしょう。
文化祭でなにが起こるのかを予想
五等分の花嫁 第96話より引用
『五等分の花嫁』第96話で印象に残ったシーンを取り上げましたが、ここから次話以降で起こりそうな展開を予想・考察していくことにします。
大きな動きがあったのは四葉と五月で、この2人を中心に物語が進んでいくのではないでしょうか?その間にも、二乃と三玖の争いが描かれていくはずです。
一花に関しては女優業があるため不透明ですが、妹たちと風太郎の様子を見るために遊びに行くのは容易に想像できるでしょう。
果たして文化祭編ではどのように物語が進んでいくのか、予想・考察をしていきます。
四葉から風太郎へのアプローチ
四葉に関しては、大きな動きを見せる可能性が高いでしょう。
そもそも高校のイベントは文化祭が最後で、そのあとは受験勉強が待っているという発言が残されていました。卒業式もありますが、クライマックスに相当する部分でもあるため、四葉が動くには文化祭しかありません。
肝心な内容としては、自身と風太郎の関係の告白でしょう。それまで秘密にしていた関係であり、明かす必要がないと考えていた関係になります。
ただ自分が京都で出会った少女であることを打ち明けるのは、四葉の気持ちが整理されなければなりません。第96話において、四葉はまだ気持ちと行動が不一致ですので、彼女決心という部分が注目するところになるでしょう。
また2人の関係が打ち明けられる展開として、五月が関わる可能性も考えてみました。
四葉と風太郎の関係を知っているのは一花と五月になります。しかし一花は干渉できる位置にはいませんので、五月が影響を及ぼす可能性は皆無ではありません。
五月は勉強をしても結果が伴わない状態にあり、とても不安定に過ごしています。壊れてしまう危険性があり、あるいはもう壊れているのかもしれませんが、自暴自棄になって四葉と風太郎の関係を晒すこともありえるでしょう。
壊れていく五月を救う風太郎
模試の結果がD判定と、思うように成績が伸びない五月は、とても思いつめた表情を覗かせていました。文化祭において、五月はどのように行動していくのでしょうか?
物語の内容から考えてみると、五月は成績不振に陥っているため、文化祭よりも勉強を優先しようとするはずです。しかしそれは、全力で楽しもうと決めた風太郎の意にそぐわないため、なんとかして参加させようとするでしょう。
ここで考えられるのが、再び風太郎と五月の関係が悪化するパターン。そして距離が大きく近づくようになるきっかけになるかの、二者択一となります。
五月が勉強をする目的は大学にいくため、もっといえば、母親と同じ教師の道に進むため。これは五月のアイデンティティである「母親の代わりになる」ためでもあります。
おそらく、母親と同じ道に進むことが一番の近道だと考えているのではないでしょうか。
しかし現実には、その道を歩もうとしても近づくことができません。それどころかレールにすら乗れていないともいえる状態で、塞ぎ込んでしまうには十分です。
この状況を打破する存在は、風太郎以外にありえません。例えば勉強のし過ぎで煮詰まっているとみて、文化祭をリフレッシュの機会とするのか、それとも説教じみた強引なアプローチするのか……。
風太郎と五月の歴史は衝突の繰り返しでもあったため、おそらくは後者で問題が深刻化していくでしょう。
ただ一方で2人の関係が意識し合うようなところまで発展していないのが気がかりな部分。そのため、文化祭を経て距離が近づくことも考えられます。
二乃と三玖は進展なし?
しばらく大人しいのは二乃と三玖で、2人とも進展らしい進展というものがありません。文化祭編の流れを予想してみて、2人が動いても四葉と五月の動きにかき消されてしまいそうな予感がします。
文化祭は高校生最後のイベントであるため、二乃と三玖は風太郎と一緒に催し物を見て回ろうと画策するのは明白でしょう。しかし風太郎にとって、五つ子全員と過ごすことの方がなによりも大切であるはず。
特定の1人と回り歩くというのは可能性が低いですが、二乃と三玖に限っては可能性が限りなく無いと言えるかもしれません。
ただ1つ気になる点があるとすれば、文化祭にもなにか伝説が存在しないのかというところ。これまでキャンプファイヤー伝説や誓いの鐘がありましたが、ここしばらくなにも花嫁のヒントとなるものがありません。
そのため、二乃と三玖は文化祭における伝説の存在を知って、よりいっそうに風太郎を巡る戦いが本格化していくことも考えられるでしょう。
伝説の存在がなくとも、風太郎を巡って積極的なアプローチが目に見えていますから、なにか花嫁の可能性が高くなるような展開に期待したいところです。
まとめ
五等分の花嫁 第96話より引用
『五等分の花嫁』第96話の内容を振り返り、今後の展開を予想・考察してみました。
一花・二乃・三玖の3人に関しては文化祭編で進展があまりないかもしれません。しかし四葉と五月については、大きく動き出す可能性が高いでしょう。
ただ高校生最後のイベントとなる文化祭でもあるため、一花以外が積極的な動きを見せるのは必至。内容によってはクライマックスに向けての重要な部分ともなりえます。
一番の気がかりは五月の様子ですが果たして……そして四葉は風太郎との関係にひと区切りを点けられるのでしょうか?
『五等分の花嫁』第97話への楽しみができたところで、最新話公開を待ちわびたいと思います。
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