『五等分の花嫁』第112話では、後夜祭を過ごす五つ子たちの様子が描かれました。
5人揃って過ごす最後の学生イベントであり、そこで彼女たちは「五つ子」であることを再認識していきます。良いことも悪いこともありますが、学園祭を経て成長した彼女たちは、その事実をポジティブに捉えていました。
色々なことが起こった学園祭において、五つ子たちはどのように時間を過ごしていくのでしょうか?そして風太郎に選ばれるという運命の時間まで、どのような気持ちで過ごしているのかをまとめていきます。
第112話の感想
五等分の花嫁 第112話より引用
様々なできごとや想いが詰まった学園祭編でしたが、そのまとめ直前として描かれているだけでなく、『五等分の花嫁』全話の集大成としての印象も強く受けた第112話。
顔がそっくりな五つ子ではありますが、性格や好み、相性などはまったく別々で、5人はそれぞれ行きたい場所を巡っていきます。
まずは一花の要望で学園祭ライブを見に行けば、二乃は自分たちのパンケーキ屋のところへ向かいます。三玖と四葉はともに学園祭に尽くしていましたので、自分たちが関わったところの結果が気になっていました。
五月はと言えば、学園祭中は役割をこなしていたとはいえ、勉強ばかりに時間を費やして我慢していたことから、屋台の食べ歩きを希望します。
三者三葉ならぬ五者五葉の様子が描かれたシーンは、とても微笑ましく思えるばかり。
そして印象的なシーンは、五つ子たちがそれぞれの待機場所へと向かうところでした。
五つ子たちは誓いや決意を共有した時、それぞれの親指と小指を結んで輪を作ります。誰が選ばれても恨みっこなしという意思が感じ取れますが、気になったのはその先です。
決意表明をしたあと、その指が解かれていく描写があり、各々が自分たちの居場所へと向かっていきました。この解かれたシーンがとても意味深だと感じてしまいます。
解かれるシーンがなくても成立しそうで、あえてこの1コマを挿しこんでいることには何か意味があるのではないかと。それは5人一緒で過ごしてきた日との別れや、離れても同じ気持ちであることなど、様々なメッセージがくみ取れます。
もしも誰かと風太郎が結ばれれば、また五つ子が揃って過ごす時間というのは少なくなるでしょう。子供から大人になれば、それもまた然りで、やはり「独立」という印象を受けてしまうばかり。
コマの関係もあるとは思いますが、それでもたった1コマの有無によって、五つ子がどんな心境でそれぞれの場所に向かったのかが見えてきます。ただの考えすぎでもありますが、選ばれた1人とそうでない4人の変化にも注目したいばかりです。
気になった2つの言葉
五等分の花嫁 第112話より引用
作中の展開とは大きく関わりがありませんが、『五等分の花嫁』第112話で気になったセリフが2つあります。
一つは一花で、もう一つは二乃ですが、両者に共通しているのは「将来」を見据えた言葉であること。姉妹の長女であり、それらしくありたいという一花、そして姉妹のことが大好きな二乃らしいものです。
ここからは、2人の印象的なセリフについて、少し考えてみることにしました。五つ子にとってどういう意味があるのでしょうか。
一花「いつまで五つ子なんだろう」
本質的にはいつまでも五つ子ではあるものの、風太郎やマルオなど、一部の人間からは独立した個として見られています。しかし一般人からは、誰もが同じであると認識されていますので、個には気づいていません。
そしてもう一つ、誰かと結婚して結ばれた日が来ると、名字の変化という形式的なもので五つ子でなくなってしまいます。言い換えれば「中野家の五つ子」でなくなることで、一花は来たる日のことを考えていたのでしょう。
しかし結論から言えば、前述したように五つ子はいつまでも五つ子です。
名字が変わっても個として認識されても、彼女たちの関係が変わることはありません。関係どころか、どこか繋がっているような感覚を覚えているわけですから、永遠に切っても切れない関係にあると言えるはず。
一花の想いは杞憂と言えます。年頃の女の子らしい思考であり、女優の中野一花として認識されている事実があるからこそ、このような心配も浮かんできたのでしょう。
二乃「立ち向かわなきゃいけない日がくるわ」
続いて二乃のセリフは、自身とマルオが1対1で会話をした経験から、姉妹に思いの丈を伝えています。確かに二乃の活躍がなければ、マルオは学園祭最終日にやってこなかったかもしれません。
そういった面と向かって話す機会が多くない五つ子たちですが、いずれはしっかりと会話をする場面が出てくるでしょう。
まず真っ先に浮かぶのが、風太郎が挨拶に来るとき。結婚式のシーンまで描かれていますから、風太郎がマルオに挨拶をするのは不可避であり、かなり緊張している表情が想像に容易いでしょう。
また五つ子たちに関しても、風太郎と一緒に行動してはいますが、やはり場面的にも緊張は避けられないかもしれません。もちろん風太郎ではない他の相手にしろ、進路について報告するなど様々な対話のシーンがあります。
いずれにしても、姉妹のことが大好きで面倒見の良い二乃らしい、五つ子へのアドバイスだと感じるものです。
五つ子がそれぞれ向かった場所とは?
五等分の花嫁 第112話より引用
いよいよ学園祭編も佳境となっている『五等分の花嫁』ですが、ここで新事実として、五つ子はそれぞれ異なる場所で風太郎を待っていることが分かりました。
後夜祭直前、五月が風太郎に接触していたのは、おそらくこの内容を伝えるためでしょう。そして風太郎がやってきた場所、それは風太郎が選んだ相手となり、運命の相手が決まるということになります。
それぞれがどこに向かっているのかは、各話の前半の物語の扉絵で描かれていますが、今一度ここでおさらいしておくことにしましょう。
風太郎が来た場所=選ばれた相手に
まず考えたいのは、五つ子はそれぞれどこに向かっていったのかということ。
振り返ってみれば、第112話で五つ子が向かった場所と各話の扉絵で描かれていた場所は、整合性が取れていないことが分かります。
・二乃=自分の教室
・三玖=廊下
・四葉=キャンプファイヤー
・五月=どこかの教室
具体的な場所が分からないところもありますが、それぞれ思い入れのある場所にいると予想することができます。
3つの教室がありますが、一花と五月の場合、2年生の頃の教室にいるのかもしれません。二乃は黒板に書かれている内容から、3年生の自分たちの教室にいることが簡単に分かります。
一方で三玖の廊下と言う場所も曖昧で、料理の道に進みたいという彼女のことを考えると、調理実習室前の廊下にいるのでしょうか。
四葉だけ校舎の外に?
第100話では、風太郎が教室の扉を開けたところでページが終わっています。このことから、花嫁候補から1人だけ外れてしまったのではないかと推測できることに。
風太郎が教室の扉を開けている描写がある以上、残念ながら外にいた四葉は選ばれなかったことが分かるでしょう。もちろん、キャンプファイヤーを見てから教室に入った可能性も窺えますが……。
扉絵通りになれば、一花と三玖についても可能性が低くなります。とはいえ、一花は教室の敷居の一部にいますから辛うじてセーフ。三玖についても、すぐに教室へと入れる場所にいますので、同様のことが言えるはずです。
対して二乃と五月は、それぞれ教室で待機しています。最初から教室にいますので、風太郎の来訪を緊張しながら待っているでしょう。
扉絵と第100話とで整合性を取るのであれば、選ばれた可能性が高いのは二乃と五月になります。
二乃の場合、学園祭編において誰よりも先にキスをした人物です。キスで気持ちが傾いたという単純な予想はさておき、姉妹想いの彼女に魅力を感じたのか、五つ子の中では比較的腹を割って話せる相手ですから、可能性は充分にあり得るかもしれません。
五月の場合、改めて勉強を教えて欲しいとお願いをされており、風太郎は快諾しています。それ以前にも密接な関係を築き上げている2人ですから、彼女もまた選ばれて然るべき相手と言えるでしょう。
一花・三玖・四葉に関しても、振り返れば様々なエピソードが蘇りますが、ここでは割愛することに。二乃と五月には、血のつながりがあるものの、父親に立ち向かったという内容もありますから、やはり3人と比べても濃いと言えます。
まとめ
五等分の花嫁 第112話より引用
『五等分の花嫁』第112話は、長かった学園祭編も終わりが見えてきた内容でした。同時に、風太郎に選ばれる相手が判明するのも、間もなくという状況になっています。
もしも各話での扉絵通りの展開が描かれたのであれば、真っ先に四葉が脱落することに。それまで高い可能性をささやかれていた四葉ではありましたが、やはり以前からの考察通り、可能性がなかったと言えてしまうのかが気になるところ。
また、四葉には自分の正体を明かすという切り札が用意されていますが、これは五月が選ばれた場合でも判明するもの。自分から明かさずとも、いずれは風太郎が知る可能性があります。
とはいえ、この通りに行かない可能性も充分にあります。最終的に誰が選ばれたのかが判明した際、それまでの伏線などを改めて振り返っていくことにしたいと思います。
学園祭編は次でラストなのか、それともまだクッションを置いて先延ばしにするのか……いずれにしても、次回の最新話公開を心待ちにしたいばかりです。
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