『五等分の花嫁』第111話は五月回3話目となっており、五つ子たちと無堂の関係に決着が着けられることに。スランプから脱出できた五月は、どのようにして実父との関係を断ち切っていくのでしょうか?
そして風太郎の行動についても気になるところ。五月から全幅の信頼を置かれるようになりますが、彼女を勇気づけるために側にいるのか、それとも信頼しているからこそ、遠くから見守るのかが見どころに。
また、勇也とマルオが話していた「同窓会」についても、今回で描かれることでしょう。マルオは五つ子の養父ではありますが、どのように接していくのかも気になります。
さっそく『五等分の花嫁』第111話の内容を振り返っていきましょう。長かった学園祭編における五つ子それぞれの物語の行く末を、感想・考察ともにまとめていきます。
第111話の感想
五等分の花嫁 第111話より引用
これでこそ『五等分の花嫁』という内容で、今さらのこのこと現れた無堂に対し、五つ子たちは一致団結して立ち向かいます。
無堂との関係に決着をつけるため、五月に変装した三玖が彼の元に向かいます。「愛があれば見分けがつく」というのは家族旅行編で証明されたことですが、これに無堂はまんまと騙されてしまうことに。
後から駆けつけたマルオは、物語序盤から五つ子それぞれを見分けられていますから、彼には最初から五つ子たちに愛を持って接していたことが窺えます。どうしても不器用であり、どう接すればいいのか分からなかったのでしょうね。
そして大人たちのやり取りを経て、五つ子たちもまた、無堂を拒絶します。ただその場を去っていった無堂は、完全に観念したという様子が見受けられませんでした。
また、五つ子たちそれぞれが罵声を浴びせるのではなく、彼女たちの母親の代わりになろうとした五月が代表して言葉を投げたのも印象的。自分が一番無堂と接しているということもあるでしょうが、「母親の代わり」になろうとしている彼女らしい行動です。
しかしひと段落したあと、ホッとしたと同時に脱力している様子が見られます。相当な緊張や勇気が必要だったのでしょう。
後押ししてくれた勇也たち大人の存在、何よりも見守ってくれていただろう風太郎に感謝をしていた様子は、どこか五月の成長を感じさせるものに。
事実、学園祭で動き回っている風太郎を手伝っているとき、五月は母親の代わりになろうと強く想っていたことから脱却したことを宣言しています。
前回では教師になるという強い決意をしただけでなく、母親の後姿を追いかけるマネも止めたのでしょう。その様子は描かれている通りで、丁寧語ではなく普通に友人として接しようとする五月の姿から窺うことができます。
五月はスランプから脱出できたことが明確になったのではないでしょうか。そして母親のしがらみからも解放されて、彼女もまた四葉と同様に前へと進みだすことに。
ただ四葉と五月の前進は、意味合いが大きく違うでしょう。その違いについても考えてみると、これまた花嫁の手がかりとなりそうですが、今は風太郎の答えがどう変わっているのかが気になるばかりです。
第111話の五月について
五等分の花嫁 第111話より引用
個人的な感想を踏まえれば、今回の五月はひと皮むけました。母親の代わりになろうとすることを辞め、前回は教師の道に進む決心をしており、何より丁寧語を辞めたというのが五月株の爆上がり要因となっています。
そこで学園祭における五月の総決算として、第111話における五月をまとめていくことにしましょう。
大きなポイントは「キスをしなかった」ということですが、これは「鐘キス」の相手だったことを意味しているのか?そのあたりについても、今一度だけ考えてみましょう。
2つの決意
前回の第110話では、このまま教師の道を追いかけるかどうかに区切りをつけました。
母親の影を負っているのではなく、自分で決めた将来の道であることを強調しており、そのきっかけとなったが他でもない風太郎の影響です。
そして今回、五月は自分の意志で母親の代わりになることを辞めたことを明らかにしました。これは一花が随分と気にしていたことですから、長女としてホッとできる瞬間と言えるでしょう。
もちろん、母から脱却できたのも風太郎のおかげ。迷いに迷っている状態のなか、唯一手を差し伸べてくれたのは彼だけであり、救われたという見方もできるかもしれません。
教師になるという夢を確固たるものにしたこと、そして母親の影を追うことを辞めたというのは、五月にとって大きな前進となります。姉たちを見守るのではなく、自分の思うように行動するようになるのではないでしょうか?
その一歩目として、五月は丁寧語口調で話すのを辞めます。母親を追っていたのですから、零奈のように丁寧な言葉で話すのではなく、自分自身の言葉で話そうという決意が見て表れています。
最初の相手が風太郎というのもまた大きな意味があるのでしょうか。やはり恩人と言っても過言ではない人物であり、それでいて五月の憧れの1人ですから、彼が最初の相手に選んだというのもメッセージ性があるように思えます。
キスをしなかったということは?
やはり五月はキスをしませんでしたね。一花・二乃・三玖・四葉と連続して風太郎にキスをしましたが、ここからもかねてからの考察の通り、風太郎と五月の特別な関係を感じずにはいられません。
まずキスをしなかったというのは、やはり「鐘キス」で済ませているというのが大きいのではないでしょうか?不慮の事故とはいえ、五月にとって風太郎に対する意識のターニングポイントだったのかもしれません。
ただ当時の五月は、五つ子の母親の代わりとして行動していたわけですから、自分の気持ちより姉たちのことを優先して行動していました。その中でキスをした意味や自分の気持ちを考えることは、優先度として低かったのでしょう。
そして学園祭編に突入するまでの五月の様子を見ても、どことなく風太郎を意識するような描写があります。ここでも「母親の代わり」という意識がありますが、段々と風太郎への気持ちが芽生えていると考えられます。
しかし同時に、風太郎もまた五つ子たちの気持ちに向き合おうとしている時期にあったため、五月にとって「同じなんだ」という感覚になったのではないでしょうか。親近感のようなものが沸いたからこそ、風太郎にはありのままを話したのかもしれません。
一方で「鐘キス」から離れて考えてみると、五月の風太郎に対する認識の変化を思い浮かべてみました。
家族旅行では「友達」という言葉を用いていましたが、第111話を経た2人の関係は「親友」と呼べるような関係にあると思います。あるいは、好意を寄せている相手だからこそ、新しい自分を見せたいという気持ちだったのでしょう。
好きな相手に振り向いて欲しいからこそ、新しい自分を真っ先に披露した五月。真面目な精確も影響して、キスという強引な方法を取らなかったという考えもできます。
いずれにしても、五月の風太郎への気持ちは大きく前進したものとなりました。憧れの人物であることはもちろん、そこに好意が存在しているかは不明ですが、場合によっては五月の積極的なアタックで風太郎が振り向くというシナリオがあるかもしれません。
次回以降の展望
五等分の花嫁 第111話より引用
学園祭編もまとまりつつあるなか、いよいよ風太郎が選ぶ相手が誰なのかという答えが近づいてきました。
しかし一方で気にある部分もありますので、ここで次回以降の展開予想や考察をまとめていくことにしましょう。
無堂の目的は?
五月編で実父である無堂が登場しましたが、結果的にマルオに追い返されるだけでなく、五つ子たちからも拒絶される形となりました。
ただ気になるのは、なぜ無堂が現れたのかということ。そのあたりの理由がハッキリとしていませんので、再び登場の可能性があると見ることができます。何より、完全に諦めている様子が見えませんから。
目的が見えてこないとスッキリしませんが、その辺りは初日の夜において、勇也が風太郎に全てを話している可能性があります。もしも風太郎編という形が描かれるのであれば、そこで判明するかもしれませんね。
また、お人好しなのは四葉だけではなく風太郎も同様です。もしかすると花嫁との披露宴で、無堂も読んでいる可能性があるかもしれません。
以上が再登場の可能性ではありますが、とりあえずは彼の目的が知りたいところ。知らなくても物語上は問題ないところですが、無堂という人間をもう少し掘り下げてほしいと感じるばかりです。
キスをされなかった風太郎の心境
二乃に始まり一花にキスをされて、2日目も三玖、四葉と立て続けにキスをされた風太郎。四葉に関しては夢うつつの状態ではありましたが、彼女たちからのキスを受けてかなり動揺している様子が見て取れます。
しかし五月はキスをしませんでした。キスをされるタイミングこそありましたが、されなかったときの風太郎の表情は、何とも言えないものとなっています。
風太郎は五月からもキスをされることを覚悟していたのでしょう。そしてその覚悟は無駄に終わってしまい、ホッとしていいのか分からない複雑な心境だったのかもしれません。
ただキスをされなかったということ自体が、風太郎にとって大きな意味を持つかもしれません。ここまで4人にキスをされており、「鐘キス」を含めると5回キスされていますから、なぜしなかったのかと考えことも?
風太郎はどうしても恋愛に無頓着な様子がありますから、そのような発想に至っていない可能性もあるでしょう。ただ気づいているとすれば、風太郎が答えを出す際に、五つ子たちに「鐘キス」の相手を確認するのかもしれません。
風太郎の決意は変わっているのか?
さて大きな問題は、学園祭のできごとを経て、風太郎の決意が変わっているのかということ。本当にいろいろなできごとがありましたから、考えを改める余裕すらなかったかもしれません。
しかし一花に告げた「誰も選ばない」という決断から、二乃・一花・三玖・四葉にキスをされるという経験をすることに。そして五月とは新しい彼女の姿を見せられ、考えが変わっていくきっかけが十分にありました。
ただ前述したように、考える余裕がなかったはずです。キスをされて強く意識するようにはなったでしょうが、それでも立て続けにキスをされていますので、これに関しては強い影響はないと思われます。
となれば、一番印象強くなっているのは最後の五月でしょう。
流れ的に五月にもキスをされると考えて身構えていましたが、結果は五月からのキスはなく、複雑な心境に陥っています。そして母親からの脱却に伴った口調の変化も、大きなインパクト担っているはず。
風太郎の決意というよりも、気持ちに傾きが生まれてくるのは、五月だけかもしれません。しかし五月を選ぶかどうかは、また別の話になるでしょうね。
まとめ
五等分の花嫁 第111話より引用
『五等分の花嫁』第111話を終えて、長かった五つ子それぞれの学園祭も、残すところは風太郎の答えを聞くのみに。風太郎の決断が変わっているのかどうか、早く知りたいという気持ちに駆られるばかりです。
次回はいよいよ風太郎の答えが聞けるのか、それとも学園際における謎の「初日の怪我」などが明らかにされるのか、これまた楽しみなところでしょう。
そして風太郎に選ばれた相手がどのような反応を示すのか、選ばれなかった相手たちは、選ばれた相手にどのように接するのか、どのように対応するのか……まだまだ楽しみな部分が大いにあります。
本格的に終わりに近づいている『五等分の花嫁』ですが、次回も最新話が公開されたあと、同様に感想・考察の記事を投稿していきますので、よろしくお願いいたします。
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