市民権を得た「生誕祭」!ライター目線で感じる気持ち悪さについて

予め断っておきますと……この記事は決して批判をする目的で書いてはいません。

間違っているから指摘しているだけですが、現実は市民権を得てしまっているため、もはや間違いと言及することが間違いになってきている風潮があります。

それでも記事を上げる理由は、自分がライターとして活動していることが一番の理由で、間違っている日本語を使っていると気持ち悪いと感じてムズムズしてしまうから。

いわゆる職業病のようなものですので、「そーなんだ。ふーん。」程度の感覚で読み進めてもらえればと思います。

Twitterで見られる生誕祭とは?

Twitterを利用している人であれば、フォローしている人のツイートで「#○○生誕祭」というハッシュタグを見たことがあるはずです。私もTwitterで多くのアニメ好きの方と繋がっていますが、この類のツイートを見ない日はないと言っても過言ではありません。

一見してアニメ好きなら一度は参加したことがあるであろう「生誕祭イベント」ですが、皆さんは大好きなキャラクターを応援するため、誰にも強要されることなく自分の意志でツイートをしているはずです。

私もTwitterを始めたころ、『ラブライブ!』西木野真姫の誕生日と同時にツイートを飛ばしていたことを回顧します。ただ最近はしていません。なぜなら違和感や気持ち悪さがそこにあるからです。

疑問に思ったことはないでしょうか?

よく見ればハッシュタグには「生誕祭」と「誕生祭」の2つがあります。この意味について、どういった違いがあるのかを考えたことがあるでしょうか?

どちらも生まれたことをお祝いするという意味で共通していますが、似た意味なのにどうして異なる言葉なのかと考えることができれば、厳密には違う意味を持っていることに気づけるはず。

「生誕祭」は間違いの可能性が高い

大好きなキャラクターの誕生日が近づくと、「生誕祭」「誕生祭」といったハッシュタグが付いたツイートを見かけるようになります。もはやキャラクターだけではなく、演じている声優にまで同様の現象が見られるようになりました。

しかしここで、私は声を大にして言いたいことがあります。それは、「生誕祭」は間違いである可能性が高い、という言葉です。

そもそもの話、何気なく「生誕祭」と「誕生祭」の両方を付けている人は、この両者の違いについて考えたことがあるでしょうか?

もしくは、どちらかハッシュタグを付けている人も同様です。それぞれの意味を理解した上で、そのハッシュタグを使用していますか?

私自身、ライターという職業についているため、この手の違和感には敏感に反応してしまいます。もはや職業病と言えるもので、両社の違いについて調べてみると、興味深い結果が出てきたので紹介しておきましょう。

「生誕」「誕生」それぞれの意味とは?

さっそくではありますが、「生誕」「誕生」それぞれの意味をまとめます。まずは言葉の意味の違いを知ってもらって、正しく使えているかどうかをチェックしてみましょう。

調べてみると似た意味ではありますが、全く違う言葉になっていることが分かります。

誕生【名】タン-ジョウ
「生まれること」を表す一般的な言葉で、人に限らず動物にも用いられる。人や動物が生まれた日を表す「誕生日」、「新会社誕生」「新製品誕生」といった組織や製品、「新校舎誕生」などの建物や場所、「カップルの誕生」といった状態など、「新しく生まれる」という意味で幅広く使われる。

生誕【名】セイ-タン
生誕は動物や事物に用いられず、人に限って用いられる言葉。特に偉人に対して使用されることが多い。

ここでピンときた人は、「生誕」と「誕生」の意味の違いが分かるはず。

まだ同じ意味じゃないかと感じている人は、「偉人」というワードに触れて考えてみると、その両者の違いが明確に分かってきます。

「いやいや、有名人も偉人と変わりないし!」と言われてしまうと、私としては目も当てられない状態になってしまいます……。そのため、「偉人」についても、一般的な意味はどうなっているのを触れておくことにしましょう。

偉人【名】イ-ジン
すぐれて立派な人。すぐれた能力、性格などを備え、偉大な業績をなし遂げた人。一般的には亡くなっている人を指す。

総括すると……生誕という言葉は偉人に対して使用するのが一般的で、例えばアニメのキャラクターや現役で活動している声優に対しては不適切に。なぜなら、偉人は亡くなっている人のことですから。

アニメのキャラクターの生死というのは微妙なところですが、偉人として扱ってしまう死者になってしまう、やはり適切ではないと言えるでしょう。

そのため、普段何気なく使っている「#○○生誕祭」というハッシュタグですが、これは人物によっては失礼極まりない言葉になってしまいます。

市民権を得てしまった「生誕祭」

「生誕」と「誕生」の意味の違いについて知ってもらえたかと思いますが、それでもこれから先、意味を知った上で「生誕祭」と使い続ける人がいるでしょう。

しかし正しい意味を伝えたところで、「『生誕』を使うのは失礼だからやめよう!」と考えるようになり、運動や活動を起こしても変化は起こらないと思います。そもそもそういった動きすら発生しないでしょうね。

私自身もそれで構わないと考えていますし、ただ職業病が疼いて気持ち悪いというだけで「生誕」と「誕生」の違いに触れました。

今や「生誕祭」という言葉は市民権を得ています。そのため、「生誕」と「誕生」は異なる意味の言葉を持っていますが、「生誕祭」と「誕生祭」は同格の言葉になってしまっているのです。

誕生祭以外にも多々ありますが、代表的なのは「確信犯」や「役不足」といったあたりでしょうか。どれも日常的に使う言葉ですが誤用が多く、違った使い方にも関わらず、正しいとされるようになった言葉になります。

つまりは市民権を得た言葉は、何ら間違いではなく、そもそも本記事のような指摘をしていること自体が間違っているのだということに。「生誕祭」は誤用ではなく正しい意味となっており、好きなキャラや人物を祝福する言葉として正しく機能しています。

しかし前述したように、ライターとしての性がこの記事を書かせています。ただ記憶の片隅でもいいので、「どちらかと言えば、適切なのは『生誕祭』なんだよな」程度にとどめてもらえると、嬉しく思うばかりです。

なぜ「生誕祭」を使っているのか?

市民権を得ているからといっても、私のように間違いだと指摘する人がいれば、違和感や疑問に思う人がいるでしょう。現状では市民権を得ることは間違いではないということですので、正解or不正解について議論するのはナンセンスです。

ただ、間違いなのに使ってしまうのはなぜでしょうか。

私が出版社の編集部で働いていたころ、これと似たようなできごとを経験しました。それは「難しい言葉を使おうとする意識」になります。

「生誕」と「誕生」の2つは、どちらが難しく聞こえるかと質問すれば、多くの人が前者を選ぶかと思います。より分かりやすくするならば、会話の中でカタカナを頻繁に使うといった場面をイメージしてみるといいかもしれません。

・結果にコミットする
・アジェンダを共有する
・コンセンサスを得る
・次のフェーズに移行する
・プライオリティを高く設定する

これらはビジネスシーンで用いられているカタカナ英語になります。聞いている人からすれば「何を言っているのだろう……」と混乱してしまいますが、使っている人は気分よく多用しているはずです。

心理学などには心得がありませんが、カタカナ英語を頻繁に用いる人には「カッコよく見せたい」「スマートに振る舞いたい」といった願望があるのではないでしょうか?

私も駆け出しの編集部員だったころは、難しい言葉を並べて知的に見せたいという意識がありましたが、上司に指摘されてからは「分かりやすい言葉を使う」ことを心がけるようになりました。

難しい言葉を使うこと自体には問題がありません。ただ正しくい意味を理解しているのかという点にも触れられてしまいますので、そういったリスクを回避する目的でも分かりやすい簡単な言葉を使うようにしています。

話を戻しますと……「生誕祭」のように誤用でも使い続ける理由は、難しい言葉を選んでカッコよく見せたいという気持ちが表れているのでしょう。

しかし何度も言うようですが、「生誕祭」が市民権を得ている以上は、咎めることができないものになっています。覚えていて欲しいのは、「生誕祭」は誤用であること。

バカにされることはないと思いますが、間違っているということは後ろめたいもので、気分的に良くないものです。ただの職業病なのかもしれませんが……気にしないという人はそのままで大丈夫だと思います。

間違った意味の言葉を使わないためには?

「生誕祭」以外にも、日常的に間違った意味で言葉を用いている場面は多々あるかもしれません。その場で指摘されると恥ずかしいですが、しかし恥ずかしいと感じるのではなく、勉強になったと前向きにとらえることが大切です。

勉強をしてよい成績を修めるためには、何度も問題を解いて覚えていくはずです。スポーツについても、失敗を繰り返して成長へと繋げるトライ&エラーを繰り返しているでしょう。

何より、日本語には「失敗は成功の基」という言葉があります。

間違った意味を使って指摘されたのであれば、その機会に覚えてしまえばいいだけの話なのです。「聞くは一時の恥、聞かぬは一生の恥」とも言いますよね。

しかしそれでも、「失敗は嫌だ!」というシャイな人がいるかもしれません。そんな人にメッセージを送って、今回の記事のまとめへと移っていきましょう。

調べる癖を身につける

聞きなれない言葉を目にしたとき、その意味を知らずにスルーしているか、何となく推測して終わることがほとんどかと思います。それでは一生そのままで、意味を理解することはできません。

少しでも違和感や疑問を覚えたのであれば、すぐにでも辞書やネットで意味を調べることをおすすめします。そして機会があれば、覚えたての言葉を使ってみてください。

大切なのは「意味を調べる」ということで、これを一度でもできたのできたのであれば、以降も習慣として身につけることができます。学生なら勉強の役に立ちますし、社会人でもスキルアップへと繋がっていくでしょう。

一見簡単そうに聞こえますが、実はとても難しいことです。なぜならば、日常生活では教えられるという一方通行のやり取りが当たり前になっているから。

その場で意識的に意味を調べようと行動しなければ、これから先も教えられる一方のまま。しかもたちが悪いことに、教えられるというのは間違った意味で身につく恐れがあります。

しかし自ら率先調べることで、ほぼ間違いなく正しい意味を習得することが可能に。そこから様々な意欲がわいてくるヒントにもなりますので、「調べる」という行為はとても大切で成長するうえでも欠かせない動作と言えるでしょう。

調べた言葉を実際に使う

意味を調べただけでは、なかなかインプットしづらいでしょう。数時間後には忘れてしまっている恐れがあり、これでは調べるために使った時間を無駄にしてしまいます。

より確実に調べた意味や内容を覚え込むには、実際に使ってみるという方法が最適です。

これはスポーツなどにも通ずるもので、教えられた動きなどを実践してみることで、いち早く習得できたという経験があるかもしれません。体を動かしながらの勉強は効率が良いと、『ドラゴン桜』でも紹介されていました。

言葉も同様で、実際に会話やメッセージを送る中で使ってみると、より覚えやすくなるものです。例えばTwitter、例えばブログなどで覚えたての言葉を使ってみれば、翌日以降もスラスラと使えるようになるでしょう。

もちろん正しい意味で覚えた言葉を使うことができます。それゆえ、間違った言葉を使うことも減り、恥ずかしい思いをすることもなくなるはずです。

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まとめ

今回は職業病のようなものが疼いて、その勢いで記事を書いてみました。

よく見れば間違った日本語を使っている人や場面は多いもので、実際にネットで検索してみれば、間違いだらけであることに気が付くはず。しかし、その度に正しい意味を理解すればいいだけの話なのです。

「生誕祭」と「誕生祭」について触れていますが、改めて言及しておくと、決して誤用をバカにしているつもりはなく、ただの癖が働いているだけです。

「ふーん」程度にとどめてもらえるだけで構いません。ちょっとした雑学やうんちくくらいのものを仕入れることができたという感覚で、両者の違いを覚えてもらえればと思います。

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