『五等分の花嫁』の花嫁は講談社の週刊少年マガジンで連載されており、2019年2月時点では累計発行部数300万部をと突破している作品。
2019年1月にはTVアニメ化もされ、個性豊かな美人五つ子姉妹たちと日常が描かれていますが、特に注目が集まっているのが「誰が花嫁なのか?」ということ。
今回は『五等分の花嫁』第6巻のあらすじ紹介から、読んだうえでの感想をまとめていきます。(※ネタバレが含まれます)
五等分の花嫁 第6巻のあらすじ
五等分の花嫁(6巻):表紙より引用
「落第寸前」「勉強嫌い」の美少女五つ子を、アルバイト家庭教師として「卒業」まで導くことになった風太郎。今度こそ、五つ子たちの赤点回避をすべく、家庭教師業に邁進しようとした矢先、二乃と五月が喧嘩して家出。四葉は陸上部の助っ人で忙しく、更には“写真の子”が風太郎の目の前に…! トラブル続きで試験勉強どころではない!? 畳み掛ける問題に挫けず「期末試験」でリベンジできるか──!?
引用:講談社コミックプラス
- 発売日
2018年09月14日 - 収録話
第42話 七つのさよなら4
第43話 七つのさよなら5
第44話 七つのさよなら6
第45話 七つのさよなら7
第46話 七つのさよなら8
第47話 七つのさよなら9
第48話 七つのさよなら10
第49話 七つのさよなら11
第50話 七つのさよなら12
五等分の花嫁 第6巻の感想・ネタバレ
五等分の花嫁(6巻):5Pより引用
期末試験を控えるなか、二乃と五月が喧嘩をしてしまっては、2人とも家出をして勉強どころではなくなってしまいました。
風太郎は二乃の元に何度も訪れますが、いかなる言葉も聞き入れてもらえず、ついには家庭教師である自分は五つ子たちに不要ではないかと思うように。
そんな時に5年前に出会った少女と再会することになりましたが、果たして彼女は風太郎にどんな言葉をかけるのか……第6巻の感想・ネタバレをまとめていきます。
零奈の正体は五つ子の誰なのか?
落ち込んでいる風太郎の前に現れたのは5年前に出会った少女で、自らを零奈と名乗っては、彼と2人きりの状況を無理やり作り出します。
このタイミングで現れた理由よりも、まずは零奈の正体について迫りましょう。
ここまでの流れから、5年前に出会った少女は五つ子の誰かであることは限りなく間違いではなく、風太郎とはすでに運命的な再会を果たしていることになります。
しかし五つ子たちは、物語のなかで5年前に京都に行ったことを回顧してはいるものの、誰ひとりとして風太郎と再会している者はいません。
風太郎の幼いころの写真を見ているのは二乃ただ1人ではありますが、説得を続けている彼を追い払い続けているため、可能性としては低くなると思われます。
四葉に関しては、タイミングよく公園周辺を走っていたものの、部活動に参加していたこと、風太郎が彼女の説明をした内容を踏まえれば、これも可能性が低いでしょう。
そのため可能性が高くなっているのが一花・三玖・五月の3人なりますが、一花と三玖は勉強をしているなかで抜け出したと考えられ、五月に関してもらいはを振り払って駆け付けたと見ることができます。
ただ風太郎が入院している際、五月が京都で買ったと思われるお守りを引っ張り出して見せていた点と、零奈が渡したお守りが一致していました。
以上の点から、風太郎の前に現れた零奈は五月であると予想できます。
どうして零奈が現れたのか?
零奈=五月という前提で考えていくことになりますが、なぜ五月は変装する必要があったのでしょうか?
第5巻41話において、五月は風太郎に話があると持ちかけています。
散歩中に五月は過去の家庭事情について話していましたが、本題ではなく、もっと別のことを話そうとしていたのかもしれません。
その内容こそが、自分が5年前に出会った少女であるという告白で、話の流れから言い出せなくなってしまったと予想できます。
だからこそ改めて正体を明かそうとして、落ち込んでいる風太郎の前に突然現れたように装いますが、ここでも結局正体を明かせなかったのでしょう。
零奈は「必要とされている人になれている」とは言いますが、風太郎は「何も変わっていない」と返しており、この言葉が正体を明かさない決断に至ったはずです。
同時に零奈という存在が風太郎を縛り付けていることも察知して、生徒手帳に挟まれた写真を取り上げるなど、束縛からの解放を促すような行動を取るのでした。
零奈に扮した五月の目的は達成することはできませんでしたが、風太郎はこのできごとをきっかけに前を向けるようになり、結果的に二乃にも波及していきます。
姉妹の成長に取り残されていた二乃
第6巻の主役と言って差し支えない二乃ですが、「七つのさよなら」では彼女の成長や心境の変化が見てとれる重要な部分になっています。
それまでツンツンした表情が目立つだけでなく、風太郎を煙たがる様子も見られた二乃でしたが、執拗に押しかける彼に安心感や嬉しさのようなものがあったのでしょう。
「しつこいんだから」というセリフは口元のアップで表情が読み取れませんが、口角が上がっている様子から、嬉しさを感じ取れます。
そして風呂場でも彼を心配してサシでの会話を繰り広げ、無理にでも過去を忘れて前を向いて進もうとする意識を垣間見ることもできます。
ここまで大きな決断をできたのは風太郎が積み重ねてきたものの成果であり、これがなければずっと二乃とは打ち解けることができなかったかもしれません。
風太郎を求めて団結する五つ子
二乃と五月の喧嘩、さらに四葉の問題も重なった影響で、今回も風太郎は赤点を回避させるというミッションを達成することができませんでした。
彼女たちの父親からはなにも言われていないものの、零奈との再会や自分の無力さを痛感した結果、風太郎は責任を感じて家庭教師の仕事を辞任することに。
真面目な風太郎らしい決断ではありますが、本当は父親らしいことをなにもせず放置し、娘たちの心配をしない彼に文句を言いたかったのかもしれません。
となれば風太郎の筋書き通りですが、これに納得しないのが五つ子たち。
期末試験を終えてから交流が途絶えることになりますが、その間に賃貸を借りたり風太郎のバイト先を突き止めたりなど、様々な行動を取っていたことが窺えます。
出会った当初は逃げるようにしていた五つ子たちは、いつの間にか彼と過ごす時間が当たり前になっており、間違いなく風太郎を必要としていることも分かるでしょう。
彼女たちの決意に応えるように、風太郎も零奈との別れを覚悟して前を向き始め、「七つのさよなら」における7つ目の決別を果たすのでした。
五等分の花嫁 第6巻の各キャラ動向
五等分の花嫁(6巻):32P 1コマ目より引用
バラバラになった五つ子を1つにまとめることができた風太郎、そして彼女たちは風太郎なしの日常では満足できなくなるなど、今や彼らの間には固い絆が存在しています。
しかし『五等分の花嫁』のテーマとしてある「誰が花嫁なのか」という部分を忘れてはならず、現時点で誰が一番花嫁に近いのかということを考えていかなければなりません。
第6巻では二乃がメインに描かれていましたが、果たして他の4人についてはどうなのか……これまでのシーンを踏まえながら考察していくことにしましょう。
中野一花
第6巻での一花には風太郎に対する気持ちの動きや、アプローチといった行動を確認できませんが、6人でいる時間を何よりも大切にしたかったことが窺えます。
だからこその賃貸を借りるという提案で、自分の気持ちに素直になることよりもまず、風太郎と姉妹全員が楽しく過ごせる環境を整えたかったのでしょう。
五つ子の長女らしい振る舞いであると感じるばかりで、一方では風太郎に対してどのように行動していくのか……次巻以降での言動には注目となりそうです。
中野二乃
メインに扱われていたこともあり、様々な印象の変化を受ける二乃ですが、もっとも風太郎との距離が遠かった人物が急に接近してきたと感じるばかり。
川に飛び込んで風太郎に助けてもらった際、胸の高鳴りを感じている二乃ですが、自分にも言い聞かせているようにキンタローへの未練が影響しているのかもしれません。
しかしキンタローを意識している部分が逆に風太郎への意識へと直結しており、今回のように風太郎の男らしい部分を目の当たりにして、どのような言動を見せるのか……。
変わるきっかけを与えてくれたこと、いつの間にか問題を解く喜びを知るなど、風太郎からの影響を多々受けている部分があり、一花・三玖の間に割って入る可能性は十分にあります。
中野三玖
日に日に風太郎への想いを増しているのが見てとれる三玖ですが、積極的になろうと決意してからは大胆な行動も目立つようになっています。
細かいところで言えば、二乃と2人きりでお茶をしている際、風太郎の件でからかわれても動じなくなった部分ではないでしょうか。
風太郎を独占したいという想いの表れで、可能性はないと考えながらも、二乃に対するけん制の意味もあったのかもしれません。
また、五つ子全員が前向きに勉強しているときや風太郎が川に転落してしまったときは、いの一番に風太郎に声をかけており、少しずつアピールをしている様子も見てとれます。
中野四葉
依然として四葉からは風太郎に対する好意が見えてきませんが、彼女もまた風太郎なしでは日々を送れないようになっているのが窺えます。
前のめりで勉強に取り組んでいた四葉ですが、その行動には「風太郎が困っているから」という意味もあったと考えることができていました。
しかし風太郎が家庭教師を辞任すると、彼の存在がどれほど不可欠なものだったのかを認識している様子で、寂しさを感じていたのが印象に残るばかりです。
中野五月
友人という観点からすれば、風太郎との距離が一番近いのが五月になります。
風太郎は相性が最悪と見ながらもポテンシャルを感じ取っており、もし零奈に扮していたのが五月であれば、褒められた彼女が赤面していたのも頷けるでしょう。
零奈の件を抜きにしても、他の友人ではなく風太郎を頼ってきたあたり、かつての五月の姿を確認することができません。
風太郎のためになにかをしてあげたいと考え、そのために零奈に扮して風太郎に歩み寄ってきたとも考えることができます。
まとめ
五等分の花嫁(6巻):164P 2コマ目より引用
大部分で二乃が描かれていたことから、彼女のためにある物語と言えるでしょう。
心境の変化だけでなく風太郎への意識など、第5巻までの二乃とは想像できないくらいに変わっていて、これからの展開が楽しみになるばかり。
一方で落ち込む風太郎の前に現れた零奈について、果たして正体は五月なのか、それとも他の姉妹たちなのかなど、こちらも想像が膨らむ一方。
ただ懸念としては、五つ子たちの父親を怒らせてしまった風太郎ですが、これからの姉妹との関わりで影響がでないかどうかが気がかりです。
風太郎と五つ子たちの絆が固まったなか、これからどのような方向に進んでいくのか、これからの『五等分の花嫁』の内容から目が離せそうにありません。
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