『五等分の花嫁』の花嫁は講談社の週刊少年マガジンで連載されており、2019年2月時点では累計発行部数300万部をと突破している作品。
2019年1月にはTVアニメ化もされ、個性豊かな美人五つ子姉妹たちと日常が描かれていますが、特に注目が集まっているのが「誰が花嫁なのか?」ということ。
今回は『五等分の花嫁』第7巻のあらすじ紹介から、読んだうえでの感想をまとめていきます。(※ネタバレが含まれます)
五等分の花嫁 第7巻のあらすじ
五等分の花嫁(7巻):表紙より引用
「落第寸前」「勉強嫌い」の美少女五つ子を、アルバイト家庭教師として「卒業」まで導くことになった風太郎。トラブル続きだった期末試験。自身の力不足を理由に、風太郎は家庭教師を退任しようと決意する。しかし、家を出てまで教えを乞う五つ子たちの覚悟を目の当たりにし、家庭教師を継続することに。次こそは「全教科赤点回避」! 風太郎と中野家五つ子の楽しい一年が幕を開ける──!!
引用:講談社コミックプラス
- 発売日
2018年12月17日 - 収録話
第51話 初の春
第52話 今日はお疲れ1
第53話 今日はお疲れ2
第54話 愚者の戦い
第55話 最後の試験が三玖の場合
第56話 最後の試験が四葉の場合
第57話 最後の試験が五月の場合
第58話 最後の試験が一花の場合
第59話 最後の試験が二乃の場合
五等分の花嫁 第7巻の感想・ネタバレ
五等分の花嫁(7巻):126Pより引用
家庭教師を辞めようとした風太郎でしたが、五つ子たちによって引き留められることになり、その想いや覚悟を目の当たりにして継続することを決意。
ようやく6人が1つになって迎えるのは2年生最後の試験で、果たして風太郎と五つ子たちは「全教科赤点回避」を達成できるのでしょうか?
さっそく第7巻の感想・ネタバレをまとめていき、どのような内容だったのかだけでなく、印象に残ったエピソードなどに触れていきましょう。
女優業を頑張っている一花
一花が女優業を頑張っているからこそ、五つ子たちは風太郎の授業を受けることができますが、風太郎としては勉強に集中してほしいという想いが強くあります。
そんなある日にアルバイト先のケーキ屋で収録がおこなわれ、そこに女優の一花が姿を現しては、風太郎は彼女の様子を見学していくことに。
風太郎は勉強しろとは言うものの女優を辞めろとは言っておらず、これには家庭教師を続けられる感謝だけでなく、「選択肢がある」一花を羨む部分があるのかもしれません。
実際に勉強以外に打ち込んでいる一花の姿を目の当たりにして、柄にもないことを本人の前で発言してしまうあたり、心が突き動かされていることが目に見えます。
一方で風太郎を意識している段階にある一花は、今回の一件で「気になる」から「好き」へという感情に変わったと窺えるでしょう。
女優業を否定されていませんが、風太郎から褒められたのは初めてであり、今までの不意打ちなども相まって、想いが加速していくのは当然の話。
それでも、自分の想いよりも三玖を優先する部分は相変わらずで、これから先の展開においても損をする役回りを演じてしまうのかもしれません。
見えてきた五つ子の父親の実態
これまでに五つ子たちの父親が登場するシーンがありましたが、第7巻では五月と2人きりで話し合いをしている様子が描かれています。
まだまだ不明な点が多いものの、二乃いわく「正しさしか見ていない」のように、自身の考えに一点の曇りがないように思えるのも特徴的な部分。
そして権力を持っているためか、高圧的な姿勢も印象に残るばかりで、「父親らしくしろ」と言われた風太郎を毛嫌いする子供じみた部分も持ち合わせています。
ただ気になるのは、林間学校で五月が父親を嫌悪しているような様子が見られましたが、2人で会話をしているときには至って普通に会話をしています。
となれば、五月が男性を慎重に見るようになったのは血の繋がった父親が原因しており、現在の父親とはあまり関係がないのかもしれません。
しかし苦手にしているのは間違いではなく、それはほかの姉妹たちも同様で、父親の言い分には納得しつつも、現状を望む旨の発言を残すのでした。
思いがけない二乃の告白
いま一度、二乃について振り返ってみれば、風太郎を姉妹の仲に入れまいと行動していた時期があり、メッセージを残したときでさえも片鱗を覗かせていました。
ところが試験勉強中はどうしても風太郎のことが頭を過ぎり、キンタローと重ねわせていること、忘れられずにいるなど、彼を好きであることを自覚しようとしません。
風太郎への意識が複雑化していくなか、二乃は期末試験の祝賀会よりも父親に会って話をしますが、そこではもっと変わっていきたいという気持ちが垣間見えます。
五月との喧嘩を経て大きく変わっただけでなく、自立などを含めた自己の成長を目指そうとするなど、風太郎との関わりが二乃を別人にさせました。
変わらなければ、風太郎に用済みというメッセージを残すだけで終わったでしょうが、今の二乃には「風太郎との関係が終わってしまう」という寂しさを感じていたはず。
さらには風太郎の試験結果を見て、「自分を犠牲にしてくれた」という感情が表情から見てとれ、姉妹のことをなによりも大切に考える自分と重ね合わせたとも考えられます。
そして決定的になったのが、風太郎の「寂しくなるな」という不意の発言。
二乃はごまかすように普段の口調で罵りますが、その正直な想いに応えるようにして、「好きよ」と思いがけない告白をしたのでしょう。
五等分の花嫁 第7巻の各キャラ動向
五等分の花嫁(7巻):186-187Pより引用
二乃の思いがけない告白で幕を閉じた『五等分の花嫁』第7巻ですが、試験勉強までの物語はそれぞれに焦点が当てられ、どのような想いで臨んだのかが分かります。
風太郎に気持ちを伝えるため、自身の夢へと進むため……それぞれが自分のために必死になって勉強しており、なによりも風太郎との時間を過ごすために努力を重ねました。
各々の様子がじっくりと描かれたことから、『五等分の花嫁』のテーマである「誰が花嫁なのか」という問いについて、じっくりと考えることができます。
第7巻を終えた時点で、誰が風太郎の花嫁に近いのか……それぞれシーンを振り返りながら、考察していくことにしましょう。
中野一花
ここまでの一花といえば、自分の気持ち対して正直にならず、三玖のために行動するという様子が目立っていましたが、ここにきて対抗の意志を示しました。
今になって三玖の前に立ちはだかることになったのは、やはり全科目赤点回避を達成することによって、風太郎との日々が終わってしまうことを嫌ったのでしょう。
また、三玖が姉妹のなかでトップになると告白すると宣言されたのも手伝っており、本能的に風太郎を取られてしまうことを恐れたこともあるはず。
だからこそ無理をして夜遅くまで勉強をし、三玖に勝とうとしたのかもしれません。
そして三玖に勝ったことを知ると、今までに見せたことのない表情を浮かべており、ここから一気に風太郎へのアプローチが始まってくると考えられます。
中野二乃
二乃の風太郎に対する意識の変化は前巻から見てとれましたが、告白にまで至るのは想定外であり、誰もが驚いた部分ではないでしょうか。
キンタローとのエピソードを鑑みれば、二乃は一途に相手を想うロマンチストであることから、一花同様に強引なアプローチをかけてくるかもしれません。
しかしながら、一花と三玖と決定的に違うのは、2人は風太郎への気持ちを抱きながらも、6人でいる時間も大切にしている部分があります。
もちろん二乃は姉妹のことを大切にしていますが、6人の時間を大切にしているのかどうかが不明で、決定的な違いが両者には存在していると考えられるでしょう。
再び姉妹の関係に亀裂が走るのであれば、また二乃が原因になってしまう可能性があるため、風太郎だけでなく6人全員との空気感にも注目せざるをえません。
中野三玖
これまで一途に想いを積み重ねてきている三玖は、試験で姉妹中トップの成績を取れば、風太郎に気持ちを伝えようと決めていましたが、一花によって阻まれてしまいます。
現時点で花嫁に近いのは三玖だと思われがちですが、確かに誰よりも強い想いを持っているものの、風太郎から見れば全員が同じ位置に立っているのが事実。
それでも入念な準備運動を続けてきたため、想いを伝えようとした刹那、一花に成績を上回られてしまったというのは、本人にとって大きなショックになったでしょう。
しかし一花をライバル視しながらも、「邪魔をされた」という意識はないはず。
三玖は「公平」を掲げるようになっているため、この一件をバネにすることができるのか……今後の言動に注目したいところです。
中野四葉
なぜ四葉だけが最初から勉強に前向きだったのか、それは転入前の学校で落第者の烙印を押されてしまっただけでなく、自分の結果に姉妹たちが付いてきてしまったというもの。
自分だけが落ちこぼれだったなら良かったものの、酸いも甘いも平等に分け合ってきたことが災いしてしまい、四葉が馬鹿なりに必死になって勉強をする理由でした。
この背景を風太郎が知ったからこそ、隠れて勉強をする四葉に付き合います。
そして元気だけが取り柄だった四葉に、閃きと機転があったとはいえ、風太郎は五つ子のお荷物と意識する彼女に大きな自信を与えるのでした。
試験を無事に突破できたこと、それ以上に姉妹たちの役に立ったということがなによりも嬉しかった四葉の涙が胸を打つばかりですが、この感謝が恋へと昇華していくのかどうかも見ものとなります。
中野五月
将来は教師になることを考えていた五月でしたが、偶然知り合うことになった下田からドンピシャで指摘を受け、改めて自分を見つめ直した様子が窺えます。
さらに偶然が重なって、風太郎から姉妹で教え合うように指示されると、誰かに教えることの難しさから喜びまでを実感。
これも全ては風太郎が身を削りながら接してくれたためであり、五月は改めて「勉強嫌い」で「落第寸前」の姉妹に勉強を教えてくれたことに感謝をするのでした。
五月に関しては、風太郎が「好き」や「気になる」という感情はなく、どちらかと言えば「気にかけている」という内容がしっくりくるばかり。
しかし母親の墓標の前でのシーンは、2人の関係は「パートナー」と見るに相応しいやり取りとなっていて、誰よりも花嫁に近い雰囲気が感じられます。
まとめ
五等分の花嫁(7巻):10-11Pより引用
『五等分の花嫁』のテーマの1つである「全科目赤点回避」が達成されることになり、2年生として過ごす日々も終わることになります。
物語は1つの区切りを迎えると同時に、二乃が新たに動き出すなど、次巻以降からは急展開の連続が見えてくるかもしれません。
そして風太郎としては、家庭教師としての役割をまっとうできたことから、今後の五つ子たちに対する接し方の変化も起こる可能性があるでしょう。
1つの物語が終わると同時に、それぞれが成長して前を進むようになった『五等分の花嫁』では、どのような展開が描かれていくのか……。
それぞれの風太郎へのアプローチも過熱していきそうな予感があり、もう1つのテーマである「花嫁は誰なのか」の答えが早く明るみになってほしいばかりです。
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