Yahoo!ニュースに「代アニにYouTuber科設立」という記事がトップに掲載されていて、内容だけでなく公式ページを確認するなど、珍しく釘付けになりました。
ひと通りの情報を眺めてみましたが、2020年に新設されるYouTuber科は入学する価値があるのか、また学べる内容に価値があるのかなどを考えるように。
そこで頭の中で描いた様々な内容を記事として書いてみます。
もし将来YouTuberを目指している人、将来の進路として代アニのYouTuber科に入学しようと考えている人は、最後までチェックしてみてください。
代アニのYouTuber科とは?
代々木アニメーション学院といえば、アニメやゲームのクリエイターを育成する専門学校というイメージを持っている人が多くいるでしょう。
実際に卒業生には現場の最前線で活躍している人を輩出していますので、一定の評価を受けていると見ることができます。
そこに新しく加わるのが、2020年の開校を予定しているYouTuber科。
まずは代々木アニメーション学院で新設されるYouTuber科はどんな授業を受けられるのか、入学を検討している人に向けて大まかな情報をまとめていきましょう。
学べる内容
いかんせん情報が少ないので、YouTuber科の概要を引用しました。
最新のVR機器やモーションキャプチャーシステムの導入はもちろん、撮影・編集・配信に必要な各種スキルを専用教室で丁寧に解説します。また、声優を育成する当学院ならではなのがキャラクターボイス。あなたが設定するキャラクターに合うような『話し方』についても学習していきます
声優の専門学校という色が強いのか、声優科で培ってきた育成力を活かす内容も盛り込みつつ、セルフプロモーション力を身につけていこうというもの。
またV-Tuber育成カリキュラムも設ける予定とあり、これに合わせてキャラ作りやイメージに合わせた声を当てる訓練もおこなっていくとあります。
もちろん、YouTuberとして必須スキルになる動画編集技術を学ぶことができ、2年次からは生配信やトークスキルの強化など、個を伸ばしていくカリキュラムもあるようです。
学費はいくらかかる?
公式ページに学費に関する記述が見当たりませんでしたが、過去に資料請求をしたときには、おおよそ100万円は必要だったと記憶しています。
これに入学費用やテキスト代、設備費なども加わってきますので、2年間で250万円前後は必要になるのではないでしょうか?
明確な金額を知りたい場合は、代々木アニメーション学院に資料請求をすれば一発で分かるはずですので、参考にしてみてください。
YouTuber科の魅力とは?
将来の進路を決めている学生の人は、数多くある学校の中から決め手となる材料が欲しいかと思います。
代々木アニメーション学院のYouTuber科にはどんな魅力があるのでしょうか?
そこでカリキュラムの内容などから、代々木アニメーション学院YouTuber科の魅力についてまとめていくことにします。
つんく♂総監修による授業内容
一番目を惹いたのが、つんく♂総監修「エンターテインメント力向上メソッド」で、音楽業界で一時代を築いた人の哲学を学べるというもの。
私が小学生のころ、当時の音楽シーンはモーニング娘。が席巻しており、シャ乱Qの楽曲もよく聞いていたほどで、同世代なら知らない人はいないはず。
そんな誰もが知る音楽プロデューサーが監修しているということですので、これだけでも学ぶ価値が十分にあるのではないかと感じるばかり。
YouTuberに対する学はありませんが、動画の企画から撮影・編集など、全ての作業を1人でおこなうのがYouTuber。
各工程の中でなにが必要なのか、知名度を上げるために必要なブランディングややってはいけないことなどを知ることができそうですので、この点は魅力があると言えます。
どちらかといえばV-Tuber寄り?
カリキュラムの内容を見る限りでは、YouTuber育成というよりもV-Tuberとして活躍するための授業が中心になっている印象を受けます。
代々木アニメーション学院はアニメ・ゲームの専門学校として知られていますので、どちらかいえばV-Tuber寄りになってしまうのかもしれません。
ただV-Tuber色の強い授業だからといって、YouTuberを目指している人にとって無駄な内容になるのかといえば、そうでもないでしょう。
動画編集ソフトの扱い方や編集技術のレクチャーなど、動画クリエイターとして必須スキルを授業として実施しますし、配信のテクニックだって学べます。
V-Tuber技術も学べばクリエイターとして幅が広がるでしょうから、YouTuberとしての活躍を目指している人にも実のある内容だと感じます。
動画制作に関連した内容も
2年次からはより専門的な内容を学ぶことになりますが、「モーションキャプチャー」や「ボイストレーニング」、「生配信・LIVE」といった内容も授業としておこなわれます。
基本を修了したあとに専門的な内容へと発展していくのは当然ですが、モーションキャプチャーやボイトレといった内容は、代アニに通わなければできないことでしょう。
このあたりは本やネットを漁っても身につけることが難しい分野ですので、本格的な内容には充実さを感じるはずです。
声優科でもボイトレやトークスキルの強化といった内容はおこなっているでしょうから、YouTuber科でも同じ内容を学べるのは強みだと思います。
本題:YouTuber科に価値はあるのか?
ここまで代々木アニメーション学院のYouTuber科について、カリキュラムの内容などから魅力について触れてきました。
肝心なのは入学する価値があるのかどうか、学んでYouTuberになれるのかという部分ですが、ひと通り情報を閲覧したうえで、私の考えや意見をまとめていきます。
お金を払ってYouTuberになるものではない
結論から述べてしまうと、YouTuber科に入学する価値は微妙だということ。
これはニュース記事を読んだ瞬間に感じたもので、公式ページなどから情報を集めてみたあとも、まったく意見が変わることはありませんでした。
YouTubeに動画を投稿すれば、その日からYouTuberになれると思いますし、後述していきますが、わざわざお金を払って学ぶ内容もない。
もし入学して勉強を始めたとすると、市場の分析やウケの良いジャンルの考察など、理論めいたことを学ぶことになるでしょう。
身につけることによって様々な分野で活かすことができそうですが、これだとビジネス的側面が強いYouTuberになってしまうのではないかと感じます。
そもそもYouTuberとして活躍されている多くの人は、「こんな動画を作ったら見てくれる!」という考えで活動してはおらず、自分たちの好きなことをやっているはず。
市場分析などを学んでしまうことによって、「これをやりたいけど、競合が強いし…」と考えて、やる前から退いてしまうことになるかもしれません。
身につけた内容が固定観念となってしまい、YouTube活動の邪魔になってしまう恐れがありますので、私としてはお金を払って学ぶものではないと考えています。
学費を機材購入費に回せ
約250万円という大金を払ってまで、代々木アニメーション学院のYouTuber科に入学する価値がないという理由に、もう1つ「機材を買った方がいい」というものがあります。
動画制作の環境を作るにはかなりの費用が必要で、パソコンやカメラ、動画編集ソフト、インターネット代などが挙げられるでしょう。
もちろん、代アニに通えば用意されている設備を使うこともできるでしょうが、使いなれば自分のPCなどを使った方が、技術的に向上しやすいと思います。
また、カリキュラムで動画編集の技術などを学ぶことができますが、これは本屋で参考書を購入すればこと足りる部分で、今の時代はネット検索でも身につけられる部分。
よって用意したお金をYouTuber科に使うのではなく、将来YouTubeとして活躍する自分への投資に使った方が良いでしょう。
100万円ほどあれば十分なスペックを持ったPCを購入できますし、編集ソフトのライセンス購入やカメラ機材への投資をしても、十分にお釣りが返ってきます。
200万円あれば1年間は動画を作る専用の部屋を借りることだってできるでしょうし、YouTuber科で学んでいる学生よりも、一足先に活躍することだって夢ではありません。
トレンドの移り変わりについていけるのか
代々木アニメーション学院でYouTuberのイロハを学んだあと、卒業してYouTuberになった人は、本当にクリエイターとして活躍できるのか?
とても重要な問題で、私は難しいと考えています。
YouTubeのトレンドというのは移り変わりが激しく、次々と新しいYouTuberが登場して活躍しているところを見れば、その事実も想像しやすいかもしれません。
とりわけ、YouTuber科はV-Tuberの色が強いと感じており、今や数百人以上いると言われているV-Tuberですが、卒業した2022年にはまだ盛り上がっているのか?
誰も答えることができるはずがないものの、執筆している現在でさえ衰退している雰囲気を感じられることから、活躍することは難しいはず。
なによりYouTubeというシステムが残っているのかも不透明で、もしかすると広告収入のシステムがなくなっている可能性だってあります。
そして規制やシステム変更の影響もありますので、代々木アニメーション学院で学んでいる間と卒業したあとでは、知識と現実に大きな乖離が生まれてしまうかもしれません。
教える側もバカじゃないですから、そういった時代の波について言及するでしょうが、それでも授業で学んだ内容が何ひとつ通用しないことだってあるでしょう。
ならば学生として2年間、YouTuber科でカリキュラムを受けることが価値のあることなのかと聞かれれば、やはり価値がないという答えにたどり着いてしまいます。
YouTuber科は本当にチャンスがないのか?
YouTuber科について否定的な意見を述べてきましたが、だからといってチャンスが全くないのかと聞かれれば、そうではないと思います。
2020年に開校し、2022年には卒業生が生まれるわけですが、第1期生が大物YouTuberとして活躍すれば、代々木アニメーション学院の評価が高まります。
またV-Tuberを運営する企業も注目しているでしょうから、まだYouTubeのトレンドでV-Tuberが生きていれば、チャンスが豊富に存在しているはず。
初年度ともなれば実績作りのために力を入れるはずですので、代々木アニメーション学院にYouTuber科を推していく意思があれば、問題が無いのではないでしょうか。
声優やアニメ・ゲーム関連とは違って、長く存続するコンテンツか不透明なところがありますので、どれだけの力を注いでいるのは読めません。
どれくらいの熱量をもってカリキュラムを実施するのかなどは、実際に体験入学などを介して、その目で確かめるのが一番でしょう。
まとめ
代々木アニメーション学院のYouTuber科について、私的な意見をまとめました。
わざわざ大金をはたいて学ぶものではないという意見が変わることはなく、その費用を準備することができ、本気でYouTuberを目指しているのであれば、設備投資に回した方がよっぽど建設的だということ。
つんく♂総監修により授業や用意されたモーションキャプチャー設備などを利用できる価値はありますが、差し引きしてみても魅力は薄いと感じるばかりです。
お金の無駄も言えますが、何より時間を無駄にしてしまうのがもったいないばかりで、専門学生として勉強するよりも、実際にYouTuberとして活動を始めてしまった方が、勉強になることが多々あるはず。
YouTuberになるために必要なのは行動力だと思いますが、その源を専門学校入学へと向けるのではなく、動画制作の情熱に注ぎ込んでもらいたいものです。
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